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化成処理・化学研磨
化成処理・化学研磨とは
化成処理は、装飾性・耐食性付与など様々な目的で、利用されています。
セルバの得意とする黒染めも多くはこの化成処理にあたります。
化学研磨とは、電気を使わず特殊な薬品に浸漬することにより、金属表面を溶かして研磨する処理です。表面は平滑化し、光沢が出ます。
腐食したボルトなどのサビ取りも可能です。
化成処理・化学研磨と対応素材
セルバで行える化成処理と対象素材の一覧表です。
処理の内容 | セルバで処理が可能な素材 | |||||||||||||
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SUS | 鉄 | 銅 | 真鍮 | アルミニウム | 設備 許容サイズ |
|||||||||
化成処理 | パーカー処理 | × | ○ | × | × | × | カゴ処理 φ250×150h | |||||||
アロジン処理 | × | × | × | × | ○ | カゴ処理(φ250×150h) ラック(200×200×600h) |
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不動態化処理(パシペート処理) | ○ | × | × | × | × | カゴ処理 φ250×150h | ||||||||
ベーキング(水素脆性処理) | ○ | ○ | × | × | × | 200℃×2~4H | ||||||||
化学研磨 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | カゴ処理 φ250×150h | ||||||||
酸洗い | △ | ○ | ○ | ○ | × | カゴ処理 φ250×150h |
化成処理・化学研磨の事例
過去に行った化成処理・化学研磨実績の一例です。
各処理の説明
パーカー処理(パーカーライジング)
対応素材
鉄鋼系
設備
カゴ処理(Φ250×150h)
目的・特徴
防錆・塗装下地を目的としており、2種類の処理方法があります。
・リン酸亜鉛処理
鉄鋼表面に灰色(グレー)の不溶解性皮膜を生成させる化成皮膜で、1~3ミクロンの薄膜タイプと5~15ミクロンの厚膜タイプがあります。
・リン酸マンガン処理(リューブライト)
鉄鋼表面に黒色の不溶解性皮膜を生成させる化成皮膜であり5~10ミクロンの被膜を生成させます。
使用例
機械部品 板金プレス部品 鋼構造物 自動車部品
アロジン処理(3価クロムアルミ化成処理)
対応素材
アルミ系
設備
ラック(500×200×600h)
カゴ処理
目的・特徴
アルミに防錆効果の高い皮膜を析出させる技術です。6価クロムを使用しない化成処理のため、RoHS指令対応の環境に優しい化成処理です。
耐食性が高く、塗膜密着性向上+塗装膜耐食性向上目的での塗装下地としても多く採用されています。
通電性があり、寸法変化はありません。外観に薄い干渉膜が見えます 。
使用例
ヒートシンク 自動車ケース部品 塗装下地目的
化学研磨
対応素材
アルミニウム、ステンレス、チタン、鉄鋼、銅合金、真鍮
設備
カゴ処理(Φ250×150h)
目的・特徴
化学薬品を用いて金属表面を溶かします。主な目的としては次の3つです。
寸法調整:指定の大きさまで削ることができます。ミクロン単位で削ります
バリ取り・・・・・物理的に落とすことが困難な微細なバリを溶かして落とします
表面調整・・・・変色してしまった、汚れてしまった製品の表面を溶かしてきれいにします。脱脂洗浄で落ち切らない場合に用いられます。
金属を溶かすため製品公差の確認が重要です。少量からの試作・条件出しをお勧めしています。
使用例
鉄、鋼:酸洗いでは除去できないスケール落としやバリ取り
銅合金:キリンス処理とも呼ぶ、リン青銅はムラなりやすい
アルミ:溶かすことで寸法調整に
ステンレス:細かいバリ取りや寸法調整
チタン:バリ取り目的
→真鍮の化学研磨事例を見る
→細かなバリ取り事例を見る
ベーキング(水素脆性処理)
対応素材
各種素材
設備
鋼材やバネ材など
目的・特徴
鋼材やバネ材はめっき加工工程で水素を吸着・吸収します。内部に取り込まれた水素は金属を脆くし(脆化)破損させる原因となります。
対策としてめっき後にベーキング処理をすることで水素を除去することができます。
処理条件は150~200℃で1~8時間くらいのケースが多いです。
使用例
金属部品など
不動態化処理(パシベート処理)
対応素材
主にSUS303・304・316(オーステナイト系)に用いられます。
SUS420・430・416(フェライト系・マルテンサイト系)も処理可能ですが耐食性はオーステナイト系ステンレスと比べると劣ります。
設備
カゴ処理(Φ250×150h)
目的・特徴
不動態化処理は浸漬方法でステンレス鋼を不動態化しやすくして材料の耐食性を上げる化学処理です。パッシベート処理・パッシベーションとも呼ばれます。
ステンレスは、元々不動態化して腐食しづらい材料ですがプレス・切削などの加工を施すと不動態被膜が失われてしまいます。その失われた不働態被膜をもう一度生成させる処理です。
使用例
電子部品 ステンレスのタンク 配管
酸洗い 錆取り
対応素材
アルミニウム、ステンレス、鉄鋼、銅、真鍮
設備
カゴ処理(Φ250×150h)
目的・特徴
強酸性の薬品で金属表面の付着物や酸化スケール、錆、不働態被膜などを除去します。化学研磨と違って溶かさないため、寸法変化はありません。
酸洗いでは落とせない汚れは化学研磨を検討する必要があります。
使用例
鉄鋼製品の比較的初期の錆除去として。根の深い、時間の経過した錆はショットブラストなどの物理的な錆落としをお勧めします。
銅・真鍮の変色や汚れ落とし目的として。化学研磨ほど強く製品を侵食しないため落とせる汚れであればこちらがお勧めです。
→錆取りに関する事例を見る
「短納期」「試作・小ロット」対応します
最短納期半日からの納期対応
大規模で自動ラインのある大手とは違い、セルバでは作業者が1人1職場を専任し、その日の作業を采配します。
生産ラインはフレキシブルに対応できるため、お客様の要望に合わせた短納期での納品が可能です。
部品1点~対応
小ロットに対応しやすい設備を有しており、部品1点~処理が可能です。
大量生産工場では取り扱いが難しい品もお任せください。
小さく量が多いものが得意
直径数cmのパーツでも高品質なめっき処理が可能です。
細かくて量が多いものはカゴ処理を致します。
高品質なめっき処理を
提供
専任の作業者が高品質な処理を提供
セルバでは豊富な実績が蓄積されており、作業者も熟練の者ばかりです。
他社では処理が難しい黒染めも、まずはセルバへご相談ください。
◆資格 めっき技能検定特級:3名
めっき技能検定一級:1名
めっき技能検定二級:5名
キズなく、ムラなく、丁寧に
お客様からお預かりした品物は、作業者一人一人が細心の注意を払って取り扱います。
おかげさまでお客様からは、「質の高さが求められる処理はセルバにお願いしたい」
というありがたい言葉をいただいております。
納品までの流れ
2.お見積り
- ・最短1日~
- ・必要に応じて担当より詳細をお伺いさせていただきます。
- ・メールまたはFAXでお見積り書を送付します。
3.正式発注
- ・注文書及び対象の製品を弊社宛にお送りください。
- ※場合によっては試作を必要とする場合もございます。
その際はあらかじめご相談させていただきます。
4.めっき・表面処理及び発送
- ・最短2日で処理いたします。
- ・問題がある場合は連絡させていただきます。
5.製品受け取り・確認
- ・処理が完了しましたら発送させていただきます。
- ・弊社にて直接お受け取りいただくことも可能です
- ・納付書・請求書を同封します。
- ・お支払いは銀行振り込みのみになります。